ミスジョル ミスタ×ゴールド・エクスペリエンス要素あり R18


  スタンドバイユー


 今日の任務は昼までで明日の任務は夜から。ミスタにとっては休みのようなもの。という事で、明日はこれと言って予定が無い――らしい。偶然か空けたのかは不明――可愛い恋人のジョルノを部屋に泊める事にした。
 仕事が終わるのを待ち、夕食は店で食べ、ワインとつまみとを買って自宅へ。つまり食事はもう済ませてある。
 なのにジョルノはダイニングテーブルに向かったまま。ミスタがソファに隣を空けて座りテレビを付け少し前に流行った映画がやっているぞと声を掛けても動かない。
 後で行きますと言って、ずっとダイニングテーブルの上のピストルズ達と戯れていた。
「楽しー?」
 ソファから振り向いて訊いてみる。
「はい」
 No.5をつつきながら声を弾ませ、しかしこちらを見ようともしない。
「とても可愛い」
「エヘヘ」
「オレハ!?」
「勿論君も」
 次いでNo.2もつつく。離れているがピストルズの浮かれきっている表情は容易に想像出来た。
 テレビを付けたままソファから立ち上がりダイニングへと向かった。座るジョルノのすぐ隣に立ってやった。それでも未だこちらを見ない。
「楽しー?」
 全く同じ調子で尋ねる。
「ミスタ、しつこいです」
 そこまで言うか!?
「……ちょっとゴールド・エクスペリエンス呼んでくれ」
「呼ぶ?」
 漸くこちらを向いた。真顔のままだが声音には驚きが含まれている。
「……ああ、出せという意味ですね。怪我でもしたんですか?」
「違う。お前みたいにスタンドと遊ぶ」
「そうですか」すぐにまたピストルズの、テーブルの方を向き「良いですよ」
 すぐにゴールド・エクスペリエンスが姿を現した。
 人間とほぼ同じ形をした、しかし明らかに人外のヴィジョン。肌と呼べる表面が金属のような色をしている。
「どうぞ遊んでいて下さい」
 その間自分はピストルズと遊んでいるから。今度は2人同時に手の平に乗せ始めた。
 この冷たさは表情も喋る事も無いゴールド・エクスペリエンスの冷やかな雰囲気とよく似ている。
「お前のご主人様は変わり者だな」
 本体と体型――サイズと言うべきだろうか。縦にも横にも――もよく似たスタンドだが僅かに浮いているので目に該当する部分がミスタよりもやや高い。
 見下されているとは思わないが、何を考えているかが全く読めない。ただじっと目を合わせていた。
 つるんと丸い頭部で何を考えているのだろう。何かを考えるという事は出来ないのだろうか。頬に当たる部分を人差し指でちょんと触れてみる。
「……ン?」
 予想外の感触に眉を寄せた。
 見た目からするともっと金属的な、熱も柔らかさも持たない印象だった。もしくは触れる事が出来ないか。
 しかし触れられたし感触は人間の肌を連想するそれ。どういう事かと親指と人差し指とで軽く摘まんでみる。
「ふふ、くすぐったい」
 ジョルノの声に彼の方を向くも、手の平に乗せた2体が腕を組みくるくる回っている様子を――無表情に見えるが――楽しそうに眺めていた。
 かと言ってゴールド・エクスペリエンスが口を聞けるわけでもなさそうだ。もう1度ふにふにと頬らしき部分を揉むように触る。
「ミスタ、楽しいですか?」
「ああ……って、わかるのか? 触られてるのとか」
「わかります。スタンドが物に触れた時にわかるように、触れられた場合だって」振り向く形でこちらを向き「ミスタはわからないんですか? ピストルズが触られている時」
 さて何と答えよう。ピストルズが何かに触れた時、誰かに触れられた時はわかる。しかしそれは『スタンドが』触れた・触れられたとわかるだけで、自分が触れた・触れられたと思うわけではない。
 今もピストルズの1人がジョルノの指にしがみ付いて頬擦りしているのがよくわかる。但し自分の頬に指の感触が有るわけではない。
 そんな感覚達を全て享受していては世の中自分よりも大きい物だらけで心身共に疲れ果ててしまう。
「感覚全部リンクしてんのか」
 至極当然の事らしくジョルノは小首を傾げた。
 確かにしていなければ自らのスタンドの窮地がわからない、つまり自分がピンチに陥ったかどうかわからなくなる。
 スタンドの死は本体の死。瀕死の重傷を負わされたら逃げる何なりで対処しなくてはならない。だがセックス・ピストルズは6人で1つのスタンド。1人1人の感覚のフィードバックが6分の1だからわかりにくいのかもしれない。
 って事は色々面倒なんだろうな、人間の大きさのスタンドが1つってーのは。
 お疲れ様、とゴールド・エクスペリエンスの頭を撫でてみた。
 髪の毛の感触は流石に無いが、恐らく頭皮だと推測出来る温かさ。ちらとジョルノの方を見ると、またピストルズと向き合っているが唇の端に微かに笑みが浮かんでいる。
 可愛いな、と思いゴールド・エクスペリエンスをがばと抱き締めてみた。
「あっ」
「ジョルノ、ドウシタ?」
「いいえ、何でも」
 そう応えはするが動揺している、あるいはもっとと欲している。
 ゴールド・エクスペリエンスが床に足を付いた。いつもの背の高さになり、いつもの抱き締め――られ――方になった。
 腕の中の収まり心地は日頃の恋人そのもの。目を閉じれば何と無く漂う草花か何かのような香りもあってスタンドなのか本体なのかわからなくなる。
 中々抱き付き返してこないのが本体とスタンドの違いか。本体の許可が降りないと抱き付け無いのか、腕を回そうという意思がスタンドの方に無いのか。
 どちらにしろゴールド・エクスペリエンスはとてもジョルノ・ジョバァーナ『らしい』と言えた。このスタンドというのは大変に面白い仕組みで、笑いたくなるのを抑えて頬に頬を寄せた。
 スタンドの方はどうかわからないが、本体であるジョルノはこうされた後にどう続くか予感している筈だ。
 いつもの流れで唇に唇を重ねる。
 ゴールド・エクスペリエンスに拒む様子が無いので角度を変えて深く、より卑猥に。
「……ん……」
 堪えきれないといった様子の吐息は口付けている相手ではなく背後に当たる位置から聞こえた。
 そのまま口を開いて舌も入れてやろうと思ったが、スタンドの咥内がどうなっているのかわからないので自粛しておく。
 舌と呼べる器官が無いかもしれないし、唾液に類した体液は毒素を含んでいるかもしれない。そんな事は無い、とは言い切れないのがスタンドだ。
「……ミスタ」
 ベッドの上でしか聞いた事の無いような切なげな響きを含んだ声音。
 唇を離して振り向けば声に似合わず睨み付けられていた。
「何をしているんですか」
「ちゅーしてまーす」
 調子に乗った物言いは見事に逆鱗に触れたらしく目付きが益々鋭くなる。
 先程の名前を呼ぶ声は甘かった。抱擁と接吻が気持ち良かったのを認めたくないのか、スタンドではなく自分にしろと言いたいがプライドが邪魔して言えないのか。
「ピストルズ達が見ている」
 そうきたか。
 確かに夜寝る前や朝起きた後、つまりはそういった事をする際にはピストルズ全員のヴィジョンは隠していた。
 勝手に出てきて勝手な行動を取る事の多いスタンドだが『絶対に出てはならない場面』というのは6人共弁えているらしい。言い換えれば本体が他人のスタンドの口と思しき箇所に唇を当てているのは見ていても問題無いという事になるのか。
「はいはい、わかったわかった」本当にわかったのかと言われるより先に「向こう行くわ」
「え」
 ジョルノに何度かしてやったように、ゴールド・エクスペリエンスの身体を横抱きにした。
 比較的細身だが小柄と言う程ではないジョルノと同等の重さを予想し気合いを入れたが、スタンドなので浮いており重たさは感じない。それでいて抱えられ慣れているかのように首に腕を回してくる。
「抱き付いてはこねーのにな」
 軽口を叩くが当然返事は無い。
 言葉を発する事が出来ないだけで本当は伝えたい事が有ったりするのでは。
「ま、待って」
 焦る声を背中に受けて、しかしジョルノが心配したらしい寝室へ向かわずリビングへ。テレビのよく見えるソファへ寝かせるように下ろした。
「なんだ……」
 心底安堵した様子。寝室に連れ込みナニをすると思ったのか言わせてやればさぞ楽しそうだ。
 それに寝室のベッドではなくリビングのソファでもしようと思えば出来る。ジョルノとした事も有る。
 ソファの上に仰向けになり片方の膝だけを立てたゴールド・エクスペリエンスは、シルエットや気怠げな雰囲気が本体に非常によく似ている。初見で誰のスタンドか当ててみろと言われてもわかりそうだ。
 欲情こそしないが悪戯をするには丁度良い。上から重みを掛けるべく覆い被さった。
「ちょっと……辞めて下さい」
 リビングからの抗議の声は聞こえなかった事にする。
 もう1度唇――らしき箇所――に唇を重ね、頬に額にキスをする。いつもなら髪の生え際を唇でなぞった辺りで息を荒くするのだが、元より『呼吸』をしていないゴールド・エクスペリエンスは変化を見せない。
 やはり反応が無いと面白くない。ズレているのなら「そこではない」「こちらが良い」と伝えてもらいたい。それ位でプライドが傷付いたと騒ぎ立てる頭の悪い男ではないのだから。
「お前ジョルノと同じ所が感じるとか無いの?」
 喋る事が出来なくとも首を縦か横に振って意思表示をしてくれるのでは。その期待は良い方向に裏切られた。
 ゴールド・エクスペリエンスの手が頭と背に回る。
 体をぴたりと密着させて口付ける事が好きな彼――のスタンド――らしい動き。もう1度キスをすると帽子越しに頭を撫でてくる。ミスタは右手をゴールド・エクスペリエンスの見た目よりは硬くない太股へ滑らせた。
 外腿を撫で、擽るように内腿を撫でる。
 性器に触れそうで触れない、それ所か排泄器官に指先が向かう。尤も、どちらもスタンドには無さそうだが――
「ミスタ」
 名前を呼ばれたので手を止め、ゴールド・エクスペリエンスに圧し掛かったまま顔だけ上げた。
 ジョルノがすぐ近くに悪魔のような険しい表情で立っていた。人質でもとったかのように右手にNo.1、左手にNo.7を握り締めている。
「タ、助ケテクレ……」
「ジョルノ、お前何を――」
「止メローッ!」
 ぎゅ、ぎゅ。
 握り潰したりはしない。数回強く握るのと緩めるのとを繰り返した。
「……何をしてんだよ。言っておくが全く痛くねーからな」
「別に貴方の骨を間接的に折ってやろうとかは考えていません」
 それどころか体の1部を搾るような手の動きは官能的とも言える。
 感覚のフィードバックが6分の1と言う事は2人に同時に行えば3分の1、鈍い痛みも3分の1程度ならば。
「丁度良い刺激だったりするんじゃあないですか?」
 否定出来ない。と言うより肯定したい。
「もっと痛くする事も、それこそ骨を折る事だって出来ます。でもそうじゃあない、気持ち良い刺激を送る事もきっと出来ます」
「俺がコイツにやってるみたいな?」
 悔しさからかジョルノは唇を噛み締めた。
「ああそうか、俺が上に乗っかってたら重たいよな。いやあ悪かった、謝る謝る」
 ゴールド・エクスペリエンスの体から降りた。ゴールド・エクスペリエンスもふわりと浮いてソファから降りる。
 ミスタはソファに深く座り直し、ジョルノではなくゴールド・エクスペリエンスを手招いた。
 背を向けろ、と手で指示するとゴールド・エクスペリエンスは素直に従った。向けられた背中に抱き付き、引き寄せて足の間に座らせる。
 目の前に広がるゴールド・エクスペリエンスの後ろ姿はジョルノのそれとは全く違うが、しかし大きさだけならばやはり似ている。ここに編まれた髪が無いのが不思議だ、と思いながらうなじに口付けた。
「ひゃッ!?」
 予想外の感覚にジョルノが甲高い声を上げた。両手が開いた隙にNo.1とNo.7が抜け出す。
「お前はジョルノと違って痣みたいのは無いんだな」
 唇を滑らせ本体なら星型の痣の有る辺りへ。外傷による痣ではなく生まれ付きの物らしいが触れると強い反応を見せる。スタンドの方はどうなのかと舌を伸ばしべろりと舐め上げた。
「んッ! ん……う……」
 スタンドの方はこれといって変化を見せないが、すぐ近くでジョルノがしゃがみ込む。
「オイオイ、大丈夫カ?」
「有難う、No.6……」
 心配してくれるスタンドに比べて本体は。そう言いたそうにして鋭さを欠いた目で睨まれた。
「お前も後ろからが好きだったりすんのか? ジョルノは後ろから突くとすぐにイッちまうからなあー」
 本体とスタンドに聞かせるべくわざとらしく言いながら、後ろから胸元を寄せて揉み上げる。
 見た目よりは硬くないが揉み応えは当然無いし、どうやらスタンドには乳首やそれに近い器官も無い。
「……ん、は」
 それでも――本体は――しっかり感じるらしくジョルノはしゃがんだまま両腕で肩を掴んで自身を抱き締めるように胸を隠した。
「何か服の上から揉んでるみてーだな、これ」
 皮膚とは違う感触だし触られているゴールド・エクスペリエンス自身は身を捩りもしない。服越しでは足りない、もっとしなさいとでも言いたげに背を預けてくる。
「はぁ……ん……ミスタ」
「お前の本体(マスター)はこっち触ってくれってさ」
 ジョルノからの言っていないという抗議を聞きながして右手を太股の付け根へと滑らせた。
 より中央を触ってくれとゴールド・エクスペリエンスの方から足を開く。
「っ……そこ、は……」
「あれ? ここじゃあないのかあ?」
 人間ならば生殖器の有る箇所『ではなく』それに隠されている排泄器官の方へ。
「……止め、ろ」
 荒い息の合間の言葉に説得力は無く、ゴールド・エクスペリエンスは臀部を浮かせた。
「こっちは触ってほしいってよ。誰かさんと違ってスタンドは正直だな」
「違っ! 違う、その……尻に当たってた……」
「何ガダ? ドコニ何ガ当タッテルッテ?」
 ジョルノは顔の間近で尋ねてくるNo.3を睨み直す。
 そうこうしている間にスタンドの――人体ならば――会陰と呼べる箇所を中指の腹でとんとんと叩いた。
「……あ、ん、ア、止めろ、んッ」
 ソファに腰を掛け、床の上で蹲り体をビクつかせている様子を眺めるのは倒錯的な気分になれる。
 このまま指を挿入して喘がせたいがスタンドに肛門は存在するのだろうか。排泄する事が無いのだから無さそうだが、1日3食しっかり食べるピストルズにも無いようなので逆に、と思い指先を前後左右させたがやはり見付からない。
「はぁ、あ……あゥ……入れ、るな……」
「だってよ、ゴールド・エクスペリエンス」
 名を呼ばれて腰を捻りこちらを向いた。
「ジョルノは一体何を入れてほしいんだろうなあ」
 表情の一切無いスタンドを介して真っ赤にした顔を左右にぶんぶんと振る恋人をからかうのは実に楽しい。
 スタンドの方も酷使してくる本体に仕返してやりたいのか意外な行動に出る。
 右手をジョルノが「当たっている」と言った勃起へと伸ばしてきた。
「……出せるか?」
 人間同様の精密な動きが出来る指先がジッパーを下ろしパンツの中に入ってくる。
 かなり硬くなった男根を掴まれた。
「うお……変な感じがするもんなんだな、スタンドの指ってのは」
 人間の指とはやはり違う。触り心地と言うか触られ心地と言うか。何も考えず機械的に動かされているようで、しかし肌のような柔らかさと温かさが有るようにも思えて混乱する。
「……ああ、そんな擦ったりしなくて良いぜ」
 もう十二分に勃っている。それに後ろ手には難しそうだ。
 亀頭を撫でていた手の平が離れて指先が改めて付け根を掴み、前のめりになりこちらに臀部――と称するには色気の足りない箇所――を向けて擦り当てた。
「ん……それ、は……んんっ」
 ジョルノは体の中を這いずり回る快感を鎮めるべく両肩を抱いていた。汗をかいているのも目が潤んでいるのも見て見ぬフリをしておく。
 向こうから強請るまではしてやらない。本人に直接触れていてはこちらが我慢出来なくなるが今は違う。ゴールド・エクスペリエンスの腰を掴み体をぐっと寄せた。
「やっぱりお前も後ろからが好きなのか? 上で跨がるのが好きなら足の上に乗って良いんだぜ」
 性感帯の集った耳が有るならば食み(はみ)ながら言ってやるのに。入れる穴も無いしどうしたものかと思うも口は止まらない。
「ゴム取ってくるの待っていられるか? どうする? 外に出すか、たっぷり中に出すか――」
――ガシ
 足を掴まれた。スタンドの足が掴まれてそのフィードバックが有るのではなく、実際にミスタ自身のふくらはぎに両手の感触が有る。
 やや驚きつつ目を向ければジョルノが足にしがみき懇願する顔でこちらを見上げていた。
「……どうした?」
「これ以上……嫌だ……」
 目に涙を溜めて、その涙が散らんばかりに首を横に振る。
「僕に……して、下さい」
「何をー?」
「スタンドじゃあなくて、僕に……気持ち良いのが、辛い……それを入れて、全部、中に……出して下さい……」
 遂には脛に頬を擦り寄せてきた。
 ゾクゾクと込み上げる物が有った。未だ入れてもいないのに嚢に溜まった物が噴き上げそうな程の興奮で口の端が上がる。
「お願いします……僕は、もう」
「自分で脱ぐんなら良いぜ」
 嗚呼自分で入れるなら、一層自分で動くならともっと欲張った事を言えば良かった。
「……脱ぐ」
 ジョルノがふらつきながらも立ち上がると、合わせてゴールド・エクスペリエンスも体を浮かしミスタから離れる。
 主人の元へ寄り、そのまま主人の服に手を掛ける。ぎょっとしつつも見ていると、抵抗しないジョルノの靴とパンツとを器用に脱がせ取った。
 更に背後に回り脇を持ち上げ、ジョルノの体をミスタの膝の上――厳密には先程より少し閉じた太股の上――に乗せる。
「ミスタ」
 名を呼ばれてスタンドではなく本体の顔を見る。膝の上に座っているので先程とは正反対に見上げる形になった。
 がっちりと頬を掴まれて半ば強引に口付けられた。喘ぎと共に舌が入ってくる。
 唇や舌の感触はこうでなくてはと思う程にいつものジョルノの物。荒い鼻息が掛かる辺りはいつも以上に興奮しきっている証。
 脱がされた腰を直に掴み引き寄せる。相当汗ばんでいるらしくしっとりとしていた。
 共にゴールド・エクスペリエンスに出された性器同士が触れ合う。
「んん」
 それだけでも余程刺激的なのかジョルノの方から口を離し呻く。手も頬から離れ勢い良く抱き付かれた。
 開けた視界に彼のスタンドのゴールド・エクスペリエンスが居る。足を床に付けず少し浮いた状態で、無表情と言うより無機質な顔をこちらに向けている。
 否、ミスタの顔ではなくジョルノの背を見ている。主人にとって最適な行動は何かだけを考えているようだ。
 食事と睡眠の時間を用意しないとろくに働かない自分のスタンドを怨めしく思った。
「……ピストルズ」
 呼び掛けにいつの間にやら消えていたスタンド6人が姿を現す。
 ジョルノが足にしがみ付いてきた時にはもう居なかった。彼らも彼らで、主人であるミスタの事を考えているいきちんと望みをわかっている。ジョルノが言う程ではないと思うが充分に可愛い奴らではあると認めなくては。
「7人で寝室で遊んでろ。良いよな? ゴールド・エクスペリエンス」
 ゴールド・エクスペリエンスがこくりと頷いた。
「ジャア行コウゼ」
「アノ部屋チョッピリ寒インダヨナア」
 ピストルズがそれぞれ手を引くように周りを飛び、7人はリビングを後にする。
「もう直接触って良いよな?」
 腰を掴むのではなく撫でる。そのまま尻を撫で、指を丸みの終わりへと進めた。
「……ん、指……あっ……」
 指先が窄まりに直接触れる。指の感触ではなく本物のグイード・ミスタの指に撫でられ、肛門を緩めようと中央へ向かう皺達が動く。
「準備万端?」
 女陰ではないので自ら潤滑油を作り出す事は無い。それでも唾液で濡らした指の1本なら入るだろう。もっと太い物も受け入れてきた。
 そうだ、そのもっと太い物をジョルノに唾液たっぷりに濡らさせ、それを彼が大喜びする後ろから入れてやろう。その為に先ずは膝の上から下ろさなくては。
「ジョルノ」
 声を掛けると肩で息をする体が離れる。
 向き合うと既に射精をした後かのような出来上がりぶり。下手に咥えさせて、その様子を見て暴発するのは宜しくない。
「はぁ……は」
 甘えた息と蕩けた目で腰を浮かせて下ろす。今すぐ入れるつもりなのか男根の触れる先が性器から排泄器官に変わった。
 可愛く愛しくついでに気が強過ぎるので主導権を譲りがちだが、今ばかりは責め手は自分。取り敢えずもう1度強請らせよう。
「どうしてほしい? 俺はどうすれば良い?」
 羞恥にか目をぎゅっと瞑り顔も背ける。
「……ミスタ」
 目を見ないまま、しかしジョルノは最大の勇気を今一度振り絞り口を開いた。
「貴方がどうしてもと言うなら挿入を許可してやらなくもない」
「お前全然可愛くねーなッ!」


2019,10,10


この後滅茶苦茶セックスした。本体同士で。
スタンド同士は多分ベッドの上で、GEが涅槃仏スタイルでピストルズ煩ぇなーって眺めてると思う。
<雪架>

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